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空と海と十字架の島をゆく|青砂ヶ浦教会・大曽教会ほか【五島列島の旅 12】

中通島ともそろそろお別れ。駆け足で島をまわります!

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津和崎港に停めてあったレンタカーに乗り、朝来た道を戻ります。13時半にレストランを予約していたのだけれど、その前にできれば寄りたいなぁという教会があって。

相変わらず夫は助手席で爆睡していたので、一人でひたすら運転。くねくね曲がる人気(ひとけ)のない道は、慣れると気が楽です。


途中、赤波江教会をチラ見。ほんの一瞬。

青砂ヶ浦教会

立派な駐車場、造花のアーチ

予約したレストランに到着……したのですがいったんスルーして、そこから2、3キロの距離にある青砂ヶ浦教会(天主堂)へ。ここは世界遺産の構成要素にはなっていませんが、重要文化財に指定されています。比較的大きな道路沿いに建ち、駐車場もしっかりと。車やバイクが何台か停まっていました。(五島の教会に車がこんなに停まってるの、初めて見たかも。)

外側は立派な煉瓦造りです。手前にマリア像がある。

そのマリア像を囲むように、造花でアーチが作られていたのです。(アップの写真撮ってなかった……)

……これが印象的すぎて、その他のことをあまり覚えていません。こんなに自然が豊かな環境で、花が造花ということが、正直とてもショックだったのです。色々事情はあるでしょうし偶々かもしれませんが、少しビジネスライクな感じがしてしまって。

自然と生まれた価値基準

レンガの赤色とアクセントの白色の組み合わせは、旧野首教会と一緒。形もかなり似ています。

……のですが、印象はだいぶ違いました。

いくつか教会を見てまわる中で、私たちの中に自然と生まれた価値基準として

● 周囲が豊かな自然に囲まれていること(ほとんどの教会がそうでしたが)
● 人の手の跡が感じられること
● どこかに個性があること

が挙げられるのかな、と気づきました。そういう観点で青砂ヶ浦教会はあまり「グッ」とくるものがなかった(あくまで自分たちの場合は、という意味で、教会を否定する意図はありません)。

これを機に、残りの旅はどちらかというと“立派そう”な教会を避ける傾向になりました。

たぶん、そういう理由で行かなかった教会にも感動する所はあったと思うのです。ただかなり時間が限られていたので、より興味の沸く方をと選択していった結果、そうなってしまいました。

私たち夫婦はこういう価値観が非常に近いので、普段は自然と物事を選んでいけるのですが、この感覚を究極に昇華させると美術の趣味になる気がします。美術の趣味(好み)がかなり近いという共通点が、実は夫婦円満の秘訣かもしれない……などと思ったり。


空と海の十字路(ホテルマルゲリータ)

また来た道を戻り、予約していたホテルマルゲリータのレストラン「空と海の十字路」へ。

ホテルマルゲリータは、中通島随一のオシャレホテルです。カップルとかで来るならここに泊まるのがおすすめです(他はビジネスホテルが多い)。部屋の写真を見るとちょっとエキゾチックでいい感じ。値段もびっくりするほどではありません(自分はビジネスホテルに泊まったくせにって感じですが)。

「空と海の十字路」のネーミングは、中通島の形が十字架に似ているところから来ているのでしょう。天井の高い開放的な空間、一つ一つのテーブルが大きく、団体客もけっこういました。

A・B・Cと3つあった中で、真ん中のBコース(2300円)を。メインは夫が豚肉、私は鴨肉。前菜含めてとても美味しかったです。特に鴨料理はすごく柔らかくて、臭みはないんだけど鴨のしっかりとした風味が残っていて、絶品でした!


前菜。


こちらが鴨。


向こうが豚。パンも美味しかった。

レストラン併設のお土産コーナーで、フィナンシェと五島うどんを購入。パッケージが可愛いです。

大曽教会

静かな港で階段を登る

次に目指すは大曽教会。色々なガイドを見て絶対に行きたいと思ったところ。

ホテルマルゲリータからはわりと近かったです。といっても車で25分ぐらい(だんだん麻痺してきた)。桐教会があった村に似た、静かな田舎の小さな港のそばにあります。

こういう小さな港が突然ポツポツ出現する!

細く急な階段を、民家沿いに登っていきます。


ほんとにこの先?という道

ついた!

教会の手前に手を広げたイエス像が。マリア像ではないんですね。(その違いがなぜなのか、気になるけどわからず仕舞い。)

奥深く上品

建物内部は旧野首教会や青砂ヶ浦教会と似たリブヴォールトの天井。木製の柱は断面がただの円形ではなく、中心の太い柱のまわりに細い丸柱をくっつけたような(断面が花みたいになるであろう)つくり。柱をくっつけたのか削り出したのか気になる。祭壇も立派でした。

似たような教会を見た中でも、ここは全体の雰囲気がとても上品でいい印象でした。

旧野首教会は廃墟感が得も言われぬ雰囲気を出していてかっこよかった。
青砂ヶ浦教会は少しきちんとしすぎていて、しっくりこなかった。
そしてここは……なんだろう?階段を登ることによって山に抱かれたような静かな環境ができ、その静寂が野崎島の「何もなさ」とは違う「奥行きの深さ」を生んでいる、のだろうか?

どこが「グッ」とくるのか、ハッキリと定義するのは難しいですね。

とりあえず外観のプロポーション、可愛い!

+ + +

もう島を出る時間が迫ってきています。慌ただしい旅だけれど、見たい教会がたくさんあるなぁ。

(つづく)


INFO


青砂ヶ浦教会(青砂ヶ浦天主堂)
長崎県南松浦郡新上五島町奈摩郷1241
見学時間:9:00〜17:00
↓内観写真が見られます
青砂ヶ浦教会

ホテルマルゲリータ
長崎県南松浦郡新上五島町小串郷1074
TEL:0959-55-3103
公式サイト:五島列島リゾートホテル マルゲリータ(Margherita)

大曽教会
長崎県南松浦郡新上五島町青方郷2151-2
見学時間:9:00〜17:00
↓内観写真が少し見られます
大曽教会

※掲載している情報は2018年時点のものです。訪問の際には必ず最新の情報をご確認ください。

【この記事で使用しているカメラ/レンズ/フィルム(左下に透かしのある写真)】
Nikon F3+Nikkor 28mm f/2.8+Fujicolor C200

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【この記事で使用しているカメラ/レンズ/フィルム(左下に透かしのある写真)】
Nikon F3+Nikkor 28mm f/2.8+Fujicolor C200