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五島でいちばん美しい教会をつくろう|中ノ浦教会と若松島【五島列島の旅 03】

五島列島で最初の教会・桐教会の見学を終え、つづいて車で10分ほど離れたところにある中ノ浦教会を目指しました。

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中ノ浦教会

五島で一番美しい教会を!

この中ノ浦教会は、五島列島の教会のなかでも頻繁にガイドブックなどに登場する教会の一つです。水辺に建ち、時間帯によって水面に映るその姿が、とても写真に映えるからでしょう。

それもそのはず、中ノ浦教会は「五島で一番美しい教会を!」という想いがあってつくられた教会らしいのです。

 この地区の信徒の祖先は、寛政年間に外海地方の黒崎から移住してきたキリシタンだが、現在、主任教会のある桐地区が伝道師ガスパル与作の出身地であったことから、明治初め「五島崩れ」と言われる迫害が激しかったところのひとつでもある。この教会は、激しい弾圧を経験した信徒たちの「五島で一番美しい聖堂を造りたい」という願いを形にしたものである。
出展:Laudate | 教会をたずねて

私がこの教会をはじめて写真で見たのは、今年の正月に遡ります。本屋で何冊か大人買いした中に一冊、紛れ込んだ写真集があったのです。

長濱ねる1st写真集 ここから

長濱ねる1st写真集 ここから

欅坂46の長濱ねるさんの写真集。

この子が特別好きだったわけではないのだけど、表紙の写真が可愛かったし、売れているらしいので気になって買ってしまった。

長濱ねるさんは上五島市(中通島)の出身らしく、写真集は五島でもロケをしていました。その中に、この中ノ浦教会の前を歩く写真があって、印象的だったのです。

…その刷り込みがあったせいか、旅の計画を始めてから「この教会には行きたいな」と思うように。

ちなみにこの写真集は、写真としてとても完成度が高いのでおすすめです(笑)

端正な横顔

私たちが教会についたのは午後13時半をすぎていました。時間帯のせいか、引潮だったからか、残念ながら水鏡に映る教会は見られませんでした(午前中にしか見られないという話も聞いたので、行くなら午前中がいいかもしれません)。

建物の横顔はたしかに美しい。背景の山と手前の水面との間に、すっぽりと教会がおさまっている感じ。正面でなく横顔をこれだけ意識して見せる教会は他になかったと思います。

教会の内部に入ると、平面は身廊と側廊の三列で構成されており、身廊の天井が高く、側廊の天井が低くなっていました。この二段階に高さが変わる天井は、折上げ天井”といわれる形式。

身廊の壁には五島のシンボルである椿の絵が派手に描かれていました。椿はベタっと塗りつぶすような描かれ方で、とても図案的。小さな子が描いた椿の絵のような、ゆるいテイストです。

五島は椿の産地として有名です。ゆるキャラで「つばきねこ」という頭に椿をのせた奇妙な白い猫がいるんだけど、これがけっこう可愛いのですよ。

(出展:つばきねこ のキャラクタープロフィール [ご当地キャラカタログ]

はじめての「ルルド」

建物の外には、「ルルド」と呼ばれる小さな泉がありました。

ルルド、はじめて見た!

「ルルド」。聖母マリアがいる泉です。

「ルルド」という名前は、フランスにある都市の名前に由来するようです。ピレネー山脈のふもとのその都市には「ルルドの泉」があり、そこから湧き出る聖水を飲むと難病が治る、という奇跡の泉とされているとのこと。

この奇跡にあやかりその後世界各地でこのルルドを模倣し、聖母マリア像を収めた“ルルド”が造られるようになったのだ。つまり、本場のルルドは地名だが、日本では “奇跡の泉”や巡礼地の意を込めた固有名詞として使用されている。
(出典:「ナガジン」発見!長崎の歩き方

この旅でいくつかルルドを見ました(五島の教会群はルルドで有名なようです)。

教会によってルルドの作られる位置やデザインが違うだけでなく、手入れがきちんとされている教会とそうでもない教会がありました。丁寧に手入れされている様子のルルドがあると、きちんと”活動している”感じがして印象が良いものです。

建物の入り口には松が生えていたりと和洋折衷な雰囲気もおもしろいです。

若松島

それから、桐教会のそばでおじいさんに聞いた若松島」へ。

「絶景スポットがあるらしいけど、まあ適当に行けば見れるよね」

と軽い気持ちで車を走らせたのですが……果たしてどこに行けば絶景なのかわからない!

中通島と若松島をむすぶ橋を渡り終わったところに駐車スペースがあり、水際に下りていく遊歩道があったので、とりあえず下りてみました。


うん、すごくきれいだけど、絶景かというと……?

でも水のそばの岩場でぶらぶら遊んだら満足し(元来ふたりとも適当な性格である)、そのまままた橋を渡って中通島に戻ってしまいました。

+ + +

後であらためてガイドブックを読んでみると、どうやら私たちが行ったのは「若松大橋展望台」の下で、もっと島の内部に入った「龍観山展望所」というところが、絶景がみれる場所らしいです。

あぁ、先に調べればよかった。。

次は頭ヶ島天主堂へ

さて、ここから中通島を北上し、世界遺産にも登録された頭ケ島天主堂を目指します。

レンタカーを借りた際に、頭ケ島天主堂に行く際は事前連絡が必要ということ、さらに近くの空港からパークアンドライドのシステムになっていることを聞いていたので、渡されたチラシの番号に電話を入れてみました。

★詳しくは以下のHPをご覧ください。
頭ヶ島の集落|教会を訪れる|長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

「夕方遅めの時間がいいです」と言うと、16時半発の便があるとのことだったので、それを予約。

この時点でもう14時半ぐらいです。


お腹が空いた……。


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INFO


カトリック中ノ浦教会
長崎県南松浦郡新上五島町宿ノ浦郷中ノ浦985
(奈良尾港から車で約25分)
見学時間:9:00〜17:00

↓内装や水鏡に映る様子が見られます。
Laudate | 教会をたずねて

+ + +

龍観山展望所(龍観山園地)
長崎県南松浦郡新上五島町若松郷
龍観山展望所|観光スポット|【公式】長崎観光/旅行ポータルサイト ながさき旅ネット


※掲載している情報は2018年時点のものです。訪問の際には必ず最新の情報をご確認ください。

【この記事で使用しているカメラ/レンズ/フィルム(左下に透かしのある写真)】
Nikon F3+Nikkor 28mm f/2.8+Fujicolor C200

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